面の事。 翁は日光 打。 弥勒、打ち手なり。 この座の翁は 弥勒 打なり。伊賀小波多にて、 座を建て初められし時、伊賀にて尋ね出だし奉りし面なり。
近江は、赤鶴(しゃくづる)、鬼の面の上手なり。 近頃、愛智(えち)打とて、坐禅院の内の者なり。 女の面、上手なり。
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越前には、石王兵衛、その後 竜右衛門(たつゑもん)、その後 夜叉、その後 文蔵、 その後 子牛、その後 徳若なり。 石王兵衛、竜右衛門までは、誰も着るに 仔細無し。 夜叉より後のは、着手をきらふなり。 金剛権守が着し、文蔵 打の本打なり。 この座に、 年寄りたる 尉(ぜう)、竜右衛門。 恋重荷の面とて 名誉せし笑尉(わらひぜう)は、 夜叉が作なり。 老松の後などに着るは、子牛なり。
愛智(えち)の打ち手、面ども打ちて、近江申楽に遺物(ゆいもつ)しけるが、 大和名人とて 世子の方へ、岩童(いはとう)して送りし遺物の面、 今、宝生大夫の方にある女面・顔細き尉の面、これなり。 時々 源三位に、 彩色(さいす)きて 着られしなり。 男面、近頃よき面と沙汰ありし、千草 打なり。 若男(わかをとこ)面は 竜右衛門なり。
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出会の飛出(とびで)、この座の天神の面・大ベシ見・小ベシ見、 皆 赤鶴なり。 大ベシ見をば、他国よりは 大和ベシ見といふ。 この面なり。 大ベシ見・天神の面、もっぱら 観阿よりの重代の面なり。 飛出は、菅丞相( くわんしようじやう )の、石榴 クワツと 吐き給へる ところを 打つ。 天神の面、天神の能に着しよりの名なり。 人の借り召されしを、不思議なる霊夢ありて、返されし面なり。 家に納め奉れども、また霊夢ありて、今も着るなり。 小ベシ見は、世子 着出だされし面なり。 余の者 着べきこと、今の世になし。 かの面にて、 鵜飼をば 為出だされし面なり。 異面(ことめん)にては、 鵜飼を ほろりと せられしなり。 面も、位に 相応たらんを着るべし。
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この座の、ちと年寄りしくある女面、愛智 打なり。 世子、女能には これを着られしなり。
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