是に於いて金剛手菩薩,火生三昧に入って、その光普く 無邊の世界を照らし、火焔熾盛にして諸々の障りを梵焼す。 内外の魔軍、恐怖馳走して山中に入らんと欲すれども、 遠く去ること能はず。 大海に入らんと欲すれども、亦去ること能はず。 声を挙げて大ひに叫んで、唯 仏所に至り、救護請乞ふ。 魔業を捨て大悲心を発す。 ... |
其の時に金剛手、三昧より起て妙吉祥菩薩に告げて言はく、 大威怒王あり。 名付けて阿利耶、阿闍羅拏多尾地耶阿羅惹 (魔を畏怖せしむる智者の王)と曰ふ。 是の大明王、大威力あり。 智慧の火を以って、諸々の障礙を焼き、 亦 法水を以って、諸々の塵垢を漱ぎ、或は大身を現じて 虚空の中に満ち、或ひは小身を現じて、衆生の意に随ひ、 金翅鳥の如く、諸々の毒悪を喰らふ。 亦 大龍の如くにして、大智の雲を興して、法雨を灑ぐ、 大刀剣の如く、魔軍を摧破し、亦 羂索の如く、 大力の魔を縛し、親友の童子の如くに、行人に給仕す。 其の心驚かずして不動定に住すればなり。
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即ち 大定徳を以っての故に 金剛盤石に座し、 大智徳を以っての故に、迦樓羅(カルラ)焔を現じ、 大悲の徳を以っての故に、種種の相貌を現ず。 其の形 青黒にして、暴悪の相に似たり、 智慧の剣を執りて、貪瞋癡を害し。 或は 三昧の索を持して難伏の者を繋縛す。 常に 天龍八部の為に、恭敬せらる。 若し 僅かに是の威怒王を憶念せば、 能く 一切障難を作す者を、皆悉く断壊せしめ、 一切の魔衆、敢へて親近せざらん。 常に當に 是の修業者、所住の處に遠離して 一百由旬の内にも 魔事 及び 鬼神等 在る事無かるべし。
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この大明王は 其の居る所無し、 但だ衆生の心想の中に住したまふ。 所以いかんと無ければ、虚空廣きが故に、世界も無邊なり。 世界無邊なるが故に、衆生界も廣し。 法身の體も廣し。法身の體 廣きが故に、法界に遍し。 法界に遍きが故に、無相を以って體とし、 無相にして相あれば、行者の意に随って、其の形體を現す。
「聖無動尊 大威怒王秘密陀羅尼経」 金剛手菩薩説 三蔵般若遮加羅譯
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写真展 「縄文の夜神楽」 Renewal !
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